肝機能コラム

【ガンマ(γ)-gtpが高い】数値が上がる4つの原因とは?

更新日:

数値が上がる4つの原因

健康診断でガンマ(γ)-gtpの値が高かった場合、4つの原因が考えられます。
それは、

  1. 生活習慣の乱れ
  2. 疾病
  3. 薬の副作用
  4. 体質

です。

ここでは、γ-gtpの値が上昇する4つの原因について、より詳しく解説していきます。
ほかにも、
γ-gtpが高いことによって疑われる病気
γ-gtpが高い時に病院で受ける検査
などについても解説します。

γ(ガンマ)-gtpが上がる原因

γ(ガンマ)-gtpが上がる原因

ガンマ(γ)-gtp(γグルタミルトランスペプチダーゼ)は、細胞の中に存在している酵素の一種です。

胆管で作られ、タンパク質の分解・合成と、体内に入った毒素を解毒する働きを持っています。

全身に広く存在していますが、肝臓や胆管などで異常が起こると、血液中に流れ出てくるため、肝臓や胆管の健康状態を推定する指標として利用されています。

γ-gtpが血液中に多くなっても、それ自体は悪い影響を及ぼしません。運動や食事の影響もほとんど受けないので、比較的安定する数値です。

他の肝障害の指標であるALT(GPT)、AST(GOT)に比べて、γ-gtpはとくにアルコールの摂取に敏感に反応すること、胆汁の流れが悪くなった場合に上昇することが特徴です。

γ-gtpの血液中の濃度が上昇する仕組みは、大別して2種類あります。

γ-gtpが上昇するしくみ
肝臓や胆のうが傷ついて、壊れて出てくる
①γ-gtpが作られすぎている ②肝臓や胆のうが傷ついて、壊れて出てくる

ひとつは、『γ-gtpが作られすぎる』場合です。
アルコールを摂取した時や、肥満、一部の薬の影響で、γ-gtpの働きの一つである解毒の過程で過剰に作られるために、値が上昇します。

もうひとつは『肝臓や胆のうが傷ついて、壊れて出てくる』場合です。
なんらかの原因で肝機能が低下したり、胆汁の流れが悪化、胆管細胞が壊れたりすると、胆汁や細胞からγ-gtpが血液中に漏れ出してしまいます。

この項目では、この二つの仕組みの原因となる4つの要因、

生活習慣の乱れ
疾病
薬剤の副作用
体質

について解説していきます。

(1)生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れ

飲酒の習慣の他にも、日々の生活の中では、γ-gtpの上昇と関わりのある習慣がたくさんあります。

これら4つと、γ-gtpとの関係を見ていきましょう。

飲酒

飲酒

γ-gtpが上昇すると、まずはじめに関係性を挙げられるのが、アルコールの摂取です。

アルコールは体内において毒素とみなされ、その分解(解毒)の過程でγ-gtpが上昇します。

検査値でγ-gtpの値だけ高く、他の肝機能の数値は正常な場合は、アルコールによるγ-gtpの上昇である可能性が高いです。

アルコールの分解中に発生するγ-gtp

まず、アルコールが体内でどのように分解されるのかを見ていきましょう。

アルコールを飲むと、小腸から肝臓へと運ばれます。そこでまずアセトアルデヒドに分解され、次に酢酸へと分解されます。

酢酸は血液に乗って身体をめぐっていくうちに、二酸化炭素と水に分解され、体外へ排出されます。

γ-gtpは、アルコールからアセトアルデヒドに分解される過程で作られます。アルコール摂取量が多いと、分解するための酵素やγ-gtpも大量に作られます。

作られすぎたγ-gtpは血液中に漏れて、血中γ-gtpが上昇します。

このγ-gtpの上昇は、健康な人でも起こる反応です。

検査の前日にお酒を飲んでしまったせいで、異常値になってしまう場合もあります。

数値上昇の原因が飲酒だけで、肝臓が健康な状態であれば、お酒を飲まずにいれば2週間~数ヶ月で、もとの数値に戻ります。

アルコール性脂肪肝で発生するγ-gtp

アルコール性脂肪肝で発生する

しかし過剰な飲酒が日常的に行われるようになると、肝機能が悪化していきます。

アルコールの処理は、肝臓の中でも緊急度の高い仕事です。なぜなら、アルコールやアセトアルデヒドは人体にとって、とても毒性の高いものだからです。お酒に酔った時に顔が赤くなったり、動悸や吐き気、頭痛がするのは、アセトアルデヒドの処理が間に合わずに、血液に乗って脳に送られてしまったために起こります。
アルコールの過剰摂取が日常的に続くと、アルコールやアセトアルデヒドの分解処理にかかりきりになってしまい、優先順位の低い仕事は後回しになってしまいます。

後回しになる仕事の中に、脂肪の処理があり、肝臓に蓄積され、『脂肪肝』へと進展してしまいます。

アルコールからも脂質は作られるため、処理が出来ない脂質はどんどん増えて脂肪肝に、さらに状態が悪くなると肝臓の硬化が始まり、肝細胞が壊れて、細胞内のγ-gtpが血管に漏れ出てきます。

肝臓にやさしい、1日の適度な摂取量とは?

厚生労働省によれば、『節度のある適度な飲酒』として、純アルコールの摂取量を1日平均20g程度を推奨しています。

1日の最適な飲酒量
ビール……中瓶1本(500ml)
清酒……1合(180ml)
ウイスキー、ブランデー……ダブル(60ml)
焼酎(35度)……1合(180ml)
ワイン……1杯(120ml)
引用:アルコール 厚生労働省

アルコールによるγ-gtpの上昇や、アルコールの分解能力には、個人差があります。とくに日本人はアルコールを分解する能力が低いと言われています。

たくさんを飲んでも、ほとんど上がらない人もいれば、ほんの少しでも急上昇する人もいます。しかしγ-gtpが上がりにくいから大丈夫というわけではありません。上がらないからと言ってさらに飲酒量を上げれば、肝脂肪や肝硬変のリスクが高まります。

上記の適切な飲酒量も目安になります。アルコールに弱い自覚がある人は、アルコール摂取量を、上記の表よりも少なくし、自分が酔いすぎない量を心がけるようにしてください。

参考文献:図解で分かる肝臓病 渡辺純夫、大越郷子監修 主婦の友社
参考:アルコール性肝疾患 日本生活習慣病予防協会
酔いのメカニズム キリン株式会社

食べ過ぎ

食べ過ぎ

エネルギーの取り過ぎが肝臓に負担をかけ、脂肪肝等の疾病を引き起こすことがあります。

肝臓は糖質やタンパク質を取り込んで代謝し、身体で使うエネルギーを作り出します。普段の生活に比べて、食べる量が多いと、エネルギーが多く作られすぎてしまい、余ったエネルギーが中性脂肪として肝臓にため込まれていきます。

肝臓に溜まった脂肪によって、肝臓の働きが悪くなり、γ-gtpが上昇してしまいます。

これが原因で、飲酒をしていないにもかかわらず脂肪肝になる、『非アルコール性脂肪肝(NAFLD)』が近年増えてきています。

肝臓をいたわるためには、適切なエネルギー量、栄養バランスのとれた食事を取ることが必要です。偏りがちな食生活を改善するためには、手軽に必要な栄養素を摂ることが出来るサプリメントなどの使用が効果的です。

【おすすめ記事】
γ-gtpを下げる食品や成分について「ガンマ(γ)-gtpを下げる肝臓に良い成分とその効果とは?」で解説しています。

γ-gtpを下げるためのサプリメントはこちらの記事で紹介しています。

参考:三重県薬剤師会

運動不足

運動不足

運動不足による肝臓への影響は、使用するエネルギーの減少にあります。オフィスワークや車通勤などであまり運動しないような生活を送っていると、食事で摂取したエネルギーを使う機会が減り、食べ過ぎた時と同じように肝臓に脂肪が溜まってしまいます。この場合もまた、『非アルコール性脂肪肝(NAFLD)』の原因となります。

また、運動量が減ることは、肝臓の基礎代謝を下げる原因にもなります。基礎代謝とは、安静にしている状態のとき、内臓や筋肉など、人間の体内でエネルギーが使われる事を指します。肝臓は、全身で使われる基礎代謝の約22%を使用しています。基礎代謝が減ることがγ-gtpを上げる直接的な原因にはなりませんが、同様に使われるエネルギーが減るので、結果的に脂肪肝や肥満を引き起こし、肝機能が低下して、γ-gtpを上昇させます。

【おすすめ記事】
γ-gtpを下げるために効果的な運動とやり方について『【γ-gtpは自分で下げる】肝臓に良い運動の始め方と具体例』で解説しています。

肥満

肥満とγ-gtpの関係性は、食べ過ぎと運動不足によるエネルギー過剰の状態に加え、『インスリン抵抗性』の上昇が関係してきます。

インスリンとは、膵臓で作られるホルモンの一種で、血液に流れているブドウ糖(血糖)を筋肉や内臓の中に取り込む働きをします。

取り込まれたブドウ糖は、エネルギーとして利用されたり、蓄えられたりします。インスリン抵抗性とは、インスリンが充分に分泌されているのにも関わらず、正常に働くことが出来ない状態を指します。

一方で、インスリンは中性脂肪を作り、蓄積させる働きもあります。

それだけ見れば、インスリン抵抗性が上がれば、脂肪をためにくい身体になるから良いのでは?思ってしまいがちが、そうではありません。

インスリンがしっかり働かず、ブドウ糖や脂質が血液中で多いままになっていると、膵がんや腸がんなどと共に、肝がんのリスクを高めてしまうのです。

インスリン抵抗性は、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの引き金になる、深刻な症状でもあります。

参考:インスリンの生理的作用 浜松医科大学
インスリン抵抗性と肝がん 川口 巧  鳥村 拓司 肝臓 56 巻 4 号 127―136(2015)

ストレス

ストレスの影響で肝機能が低下

ストレスが直接γ-gtpを上昇させる原因にはなりませんが、ストレスの影響で肝機能が低下し、γ-gtpを上昇させる疾病にかかることがあります。
肝機能の低下とストレスは、自律神経によって関係しています。

自律神経とは、呼吸、脈拍、消化・吸収など、生命維持に関わっている神経で、自分の意思ではコントロールすることが出来ません。

ヒトが活動状態の時は『交感神経』が働き、リラックスしている時は『副交感神経』が働きます。

肝臓においては、リラックスしている時は肝臓はグリコーゲン(ブドウ糖の集合体)などの、身体で使用する栄養素を作り、蓄積させます。そして、活動状態になった時、それらのエネルギーを使用して、日常の生活を行います。

しかし過剰なストレスを受けると、交感神経が刺激され続け、本来リラックスしなくてはいけない、休息時や睡眠時でも活動状態が続くようになってしまいます。

そうなると、栄養素を作る時間が減り、慢性的なエネルギー不足になり、肝臓に負担をかけるこよになります。

また、交感神経が優位な時は、内臓の血流が抑制されます。肝臓の血流も同じように抑制され、充分な活動をすることが出来なくなってしまいます。

東北大学の福土教授による調査では、アルコール性肝障害の患者のうち、脂肪肝の患者と慢性肝炎の患者を比較したところ、1日のアルコール摂取量と飲酒期間に差がないにもかかわらず、慢性肝炎の患者のストレス指標のほうが高かったことが示されています。

参考:ストレスと肝  米田政志

疾病

疾病

様々な要因から肝臓に負担がかかり、病気に進行してしまった場合にもγ-gtpは上昇します。なかでもγ-gtpの上昇と関係がある、

について解説します。

胆汁のうっ滞

胆汁のうっ滞

アルコールに次いでγ-gtpの数値に深く関わりのある症状が、胆汁のうっ滞です。

胆汁は、消化液の一種で、脂肪の消化を助ける働きをします。胆汁のうっ滞とは、胆汁の流れが減少、または停止してしまう症状です。胆汁は肝臓で作られ、胆道を通って十二指腸に流れていきますが、その間のどこかで、流れが阻害されてしまうのです。
γ-gtpは胆汁の中にも含まれていて、流れが滞ることで血液中に流れ出し、γ-gtp上昇の原因となります。

また胆汁には、肝臓の老廃物を排出する役割を持ちます。古くなった赤血球が壊されて出来る黄色の色素『ビリルビン』もその中の一つで、γ-gtpと同じく、胆汁のうっ滞によって血液に流れ出ると、皮膚や白目が黄色くなる、黄疸が現れます。
うっ滞が起こる原因は、肝炎やアルコール性肝障害などの肝臓内で起こる疾病の場合と、胆管内の結石や胆管がんや膵臓がんなど、肝臓以外の原因である場合とがあります。

参考文献:図解で分かる肝臓病 渡辺純夫、大越郷子監修 主婦の友社
肝炎辞典 肝炎.net

ウイルス・細菌による炎症

体外から侵入したウイルスや細菌によって、肝臓が冒されることがあります。

よく知られているのは肝炎ウイルスで、A型からE型まで5種類があります。日本ではA、B、C型が主流で、E、D型はほとんど見られません。

基本的には感染しても、急性肝炎を発祥した後数週間で回復しますが、ごくまれに(全体の1%程度)劇症肝炎となり、重症化します。

B型、C型は急性肝炎のあと、慢性肝炎へ進行する場合があります。

ほかにも肝機能障害を引き起こすウイルスとして、小児期に感染するEBウイルス、ヘルペスウイルスの一種であるサイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルスなどがあります。

細菌では、結核菌、マラリア原虫、赤痢アメーバや、寄生虫では吸血虫、肝吸虫などで肝炎の原因になりうるものがあります。

膵臓の疾患

膵臓の疾患

肝臓の障害や、アルコールによる数値上昇の疑いがなく、γ-gtpだけが高くなった場合、膵炎や膵臓がんの可能性があります。

γ-gtpは肝臓だけではなく、全身に存在しています。ですが、状態が悪くなることで血液中のγ-gtpが上昇する部位は限られた一部です。そのほとんどは肝臓、そして、膵臓や腎臓が病気になった時も、γ-gtpの上昇が見られることがあります。

腫瘍

γ-gtpやその他数値が高いまま処置せずにいた場合、腫瘍に進行する場合があります。腫瘍の原因となる病気は、肝硬変や肝炎、脂肪肝などがあります。いずれにしても初期段階では症状がないのが肝臓の病気です。痛みを感じる時は腫瘍が大きくなり、肝臓を覆っている膜を押している場合で、違和感を感じた時にはすでに重症化してしまっています。

(2)薬剤の副作用

服用している薬によって、肝臓に影響があることがまれにあります

服用している薬によって、肝臓に影響があることがまれにあります。

副作用の原因は3種類あり、引き起こされる症状も3種類あります。

<副作用の原因>

<薬の副作用によって引き起こされる症状>
肝細胞障害型
胆汁うっ滞型
混合型(肝細胞障害型と胆汁うっ滞型の両方を発症する型)

どの原因からでも3種類の症状を引き起こす可能性があります。

副作用で引き起こされる原因のうち、γ-gtpが上昇するのは『胆汁うっ滞型』と『混合型』の2種類です。γ-gtpとあわせてALPの値も上昇します。

うっ滞が起こると、黄疸、濃い色の尿、薄い色の便、全身のかゆみなどの症状が現れます。

もう一つの肝細胞障害型は症状が現れにくく、自覚症状が出た時には肝不全に陥っている場合があります。

中毒性によるもの

中毒性によるもの

薬の成分自体の特性によって、たくさん飲むことで誰でも起こる副作用です。
きめられた量の10倍や20倍など、過剰な量を一気に飲んだ場合に引き起こされます。用法と用量を守って使う限りは、起こらない副作用です。

アレルギーによるもの

その人が服用した薬の成分の中にアレルギーを引き起こす成分が入っていた場合、影響を受けて肝機能を障害することがあります。
他の人が服用して問題ない薬でも、服用した人の体質によってアレルギーが現れます。場合によっては、通常飲む量よりももっと少量であっても反応が出ることもあります。肝機能障害の他にも、かゆみや発疹、じんましんなどが現れる場合もあります。
アレルギーの場合、事前に予測することが難しく、対処療法になりがちです。
発症する人は、もともとアレルギー体質だったということが多い傾向があります。他の薬でアレルギーが出たことがあったり、喘息やじんましんが出たことがある人は、注意しておいた方がいいでしょう。

代謝異常によるもの

代謝異常も、個人差のある副作用です。

服用した薬は、肝臓の酵素の働きによって排出されやすい性質に変えられ、尿などと一緒に体外に出されます。この働きのことを『代謝』と言います。

代謝には、アレルギー同様、個人差があります。お酒が強い人と弱い人がいるのと同じで、薬の成分を代謝しやすい人と代謝しにくい人がいます。服用している薬の成分の中に、その人が代謝をしにくい成分があると、その成分だけが肝臓に蓄積されてしまい、肝機能を障害してしまう場合があります。

どの成分が代謝しにくいのかは、人によって違います。副作用が現れるまでの期間もそれぞれで、服用を続けて6ヵ月以上、2年以上たってからなど、長期間服用して初めて副作用が現れることもあります。

参考:薬物性肝障害 厚生労働省
からだを旅する薬のこと 大日本住友製薬

肝機能異常の副作用が5例以上あった医薬品

肝機能障害の副作用が報告されている医薬品は、どの型の症状も起こる可能性は否定できません。

こちらでは、厚生労働省が発表している、『5 例以上報告のあった薬物、例数、病型および DLST 陽性率(1999 年全国調査)』より、γ-gtpが上昇する、『胆汁うっ滞型』、『混合型』の報告があったもののうち、処方薬やドラッグストアでよく使われる医薬品のみを抜粋して紹介します。

薬効分類 一般名
解熱・消炎・鎮痛薬 アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム(ジクロフェナクNa)
精神・神経用薬 カルバマゼピン
抗アレルギー薬 オキサトミド、トラニラスト
循環器用薬 アジマリン、塩酸アプリンジン
消化器用薬 ファモチジン、チオプロニン
糖尿病薬 アカルボース
ホルモン用薬 チアマゾール
抗生物質 クラリスロマイシン
化学療法薬 イソニアジド、リファンピシン、オフロキサシン、レボフロキサシン
抗がん剤 テフガール・ウラシル
その他 アシクロビル
漢方薬 小柴胡湯、葛根湯

※一般名とは、医薬品の成分の名前です。商品の名前とは違う場合があります。

重篤副作用疾患別対応マニュアル薬物性肝障害
『5 例以上報告のあった薬物、例数、病型および DLST 陽性率(1999 年全国調査)』より抜粋

副作用のデータとして確認できるものを紹介しましたが、書いてあるからといって『薬は危険だ』と結論づけるのことのないようにしてください。

お店で売られている薬も、医療機関で処方される薬も、何度も試験を行い、安全性が確かめられているものだけが販売されています。

それでも、使用法や、個人の体質などで、副作用が起きてしまう場合があります。もし不安がある場合、かかりつけの病院や、調剤薬局、ドラッグストアの薬剤師に相談することをおすすめします。

(3)体質

体質

飲酒の習慣や脂肪肝、肝炎ウイルスの感染など、肝機能を下げる原因が見つからないのに、γ-gtpが高い、と言った場合は、体質である場合が疑われます。

自己免疫異常

自己免疫とは、外から体内に侵入してきた異物(ウイルス、細菌など)を攻撃して排除する役割のことを言います。

自己免疫異常は、異物ではない自分の身体を、異物と認識してしまい、攻撃してしまうことを言います。

自己免疫異常の疾患は、膠原病やリウマチがよく知られていますが、肝臓や胆管でも起こることがあります。

自己免疫によって肝臓や胆管が傷害される疾病には、『自己免疫性肝炎』『原発生誕胆汁性肝硬変』などがあります。

どちらの場合も中年以降の女性の発病率が高いことが特徴ですが、まれに小児期に発症することもあります。

参考:自己免疫疾患ってどんな病気? 山陽新聞デジタル
自己免疫性肝炎(AIH)ガイドブック 厚生労働省難治性疾患克服研究事業
「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班

女性ホルモンの減少

女性ホルモンは、γ-gtpγ-GTPの働きを抑制したり、肝臓でγ-GTPが作られるのを抑える働きを持っています。

そのため、加齢などにより女性ホルモンの分泌が減ってくると、抑える働きも低下するため、γ-gtpが上昇する原因になります。

γ(ガンマ)-gtpの値が高い時に疑われる病気は?

γ(ガンマ)-gtpの値が高い時に疑われる病気

肝臓の病気にかかっていた場合、どの程度の数値が出ると、どんな病気の可能性があるのでしょうか?

γ-gtpは個人差の大きい数値であり、γ-gtpの正常値とされている数値も、はあくまで統計としての基準値です。

この数値だから、かならずこの病気である、という意味ではありません。

体質や、女性は閉経などの理由で、基準値から外れていても健康上問題ない人もいます。疾患であるかどうかの判断は、病院で検査を受けなければ分かりません。

気になる場合は、病院を受診するようにしましょう。

10~50(成人男性) 9~32(成人女性)

健康な人の参考数値です。女性は、女性ホルモンがγ-gtpの分泌を低下させる働きを持つため、基準値が低く設定されています。

正常域にあっても、個人差によって、非活動性の慢性肝炎、肝硬変、突発性門脈亢進症などの疾病がある場合があります。

正常値の上限~100

γ-gtpの数値が正常値の上限~100 までの範囲は『軽度の増加』です。
以下の疾病の可能性がたかくなります。

アルコール性肝障害
薬物性肝障害
慢性肝炎
脂肪肝

100~200

γ-gtpの数値が100~200までの範囲は『中等度の増加』です。
以下の疾病の可能性がたかくなります。

アルコール性肝障害
薬物性肝障害
慢性活動性肝炎 (100~200U/L)
肝硬変
肝癌
脂肪肝
胆道疾患

200~500

γ-gtpの数値が100~200までの範囲は『高度の増加』です。
以下の疾病の可能性がたかくなります。

急性アルコール性肝炎
アルコール性肝障害
閉塞性黄疸
慢性活動性肝炎
肝内胆汁うっ滞

500以上

γ-gtpの数値が500を超えると、『超高度の増加』です。

いままでに見た病状が悪化している状態にあり、多くは入院して精密検査を受けることになります。

日常生活においても、医師の指導が入ります。

参考:γ-GTP  ニュートンドクター
肝機能検査の基礎 刈谷豊田総合病院
γ-gtpの上昇 ドクターサロン58巻5月号p321-325

γ(ガンマ)-gtpが高い場合に病院で行われる検査は?

病院で行われる検査は?

健康診断でγ-gtp値が高く、診察に行った場合、どんな診察・検査が行われるのでしょうか? 事前に知っておくと診察の段階で医師に質問したり相談したりするときにも役立ちます。

血液検査と問診

まず最初に行われるのは、血液検査と問診です。

病院では健康診断よりも詳細な血液検査が行われます。

また問診では、普段の生活でγ-gtpが上がる要因(飲酒など)や、肝炎の罹患歴などが質問されます。

このとき、アルコールの摂取過多で一時的なγ-gtp上昇が疑われる場合、禁酒してもらって1~2ヵ月後に再度血液検査を行う場合もあります。

肝炎ウイルスマーカー検査

血液検査のオプションとして追加される項目です。

肝炎ウイルスはA~E型まであり、それぞれが別の遺伝子を持っています。

また、ウイルスに感染すると、ウイルスに対抗するための抗体となるタンパクが作られます。

これらを血液内から調べることで、肝炎ウイルスに感染しているか、何型のウイルスに感染しているかが分かります。
がん特有の物質があるかどうかを、血液内から調べます。

腫瘍マーカー検査

こちらも血液検査のオプションとして追加される項目です。

がんや悪性腫瘍ができると、特徴的なタンパク質や酵素、ホルモンを作り出します。

これらがん特有の物質があるかどうかを、血液内から調べます。

肝臓の腫瘍については、3種類の腫瘍マーカーがあります。

3つを総合的に確認し、腫瘍の有無を見つけ出します。

画像検査

マーカー検査で肝炎や肝がんが疑われた場合、さらに画像による検査を行います。

画像検査は、超音波(エコー)、CT、MRIの3種類があります。

超音波検査は、腹部にゼリーを塗り、超音波発信器をその上に当てて内部を観察します。所要時間は数分~数十分で終わります

。肝がん、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝、胆石や腹水などを調べることが出来ます。

CTはX線を用いて身体の断面を撮影します。超音波検査だけでは見えにくい細かい部分も撮影することが出来ます。

MRIは強力な磁場を用いて身体の断面を撮影します。

CTと違い、被ばくのすることがありません。CTではわかりにくい肝がんや血管腫の診断が出来ます。

肝生検

肝臓の細胞を直接採取して検査する方法です。

通常の肝生検と、腹腔鏡を同時に使う腹腔鏡下肝生検の2種類があります。

腹部に局所麻酔をし、そこから細い針を刺して肝臓の細胞を採取します。

細胞を直接調べることによって、肝がんの確定診断ができ、がん細胞の特徴などについても詳しく知ることができます。

通常の肝生検はエコーを用いて肝臓を視認しますが、腹腔鏡を使うことで、肉眼で肝臓を直接観察でき、表面の繊維化の進行状態を詳しく見ることができます。

所要時間は、通常の肝生検の場合、検査自体は30分程度ですが、その後の処置などのために1日の入院が必要になります。

腹腔鏡下肝生検の所要時間は、検査に1時間、処置を含めると数日の入院が必要になります。

参考文献:図解で分かる肝臓病 渡辺純夫、大越郷子監修 主婦の友社

まとめ

肝機能の指標の一つである『ガンマ(γ)-gtp』が上昇する原因

肝機能の指標の一つである『ガンマ(γ)-gtp』が上昇する原因について

  1. 生活習慣の乱れ
  2. 疾病
  3. 薬の副作用
  4. 体質

の順で解説しました。

原因を知っておくことは、自分の生活で肝臓に悪い影響を与えていた行動を振り返ることができ、医療機関を受診する際には、医師とのコミュニケーションが取りやすくなります。

また、ここにある原因は、一般的なものの一部であり、すべてではありません。

健康診断で高い値の結果が出たときは、自己流で下げようとする前に、病院(できれば専門の消化器内科)で相談することをおすすめします。専門家の指導によって、自分で下げるよりも速く、安全に数値を下げることが出来るでしょう。

受診の時にはぜひ、原因を知り、医師や薬剤師へ相談・質問するために役立ててください。

医師や薬剤師に質問をすることは、なんだか悪いような、恥ずかしいような気もします。

しかし、患者からのメッセージは、医師や薬剤師にとっては、ただしく症状を知る重要なきっかけをもらう機会です。

自分の不調を効率よく解消するためにも、この記事を活用してみてください。

参考記事

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